企画名
誰も見たことのないものを見るための技術 |
参加教員
教員名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
冨田 夏希 | 物理学・宇宙物理学専攻 | 助教 |
風間 卓仁 | 地球惑星科学専攻 | 助教 |
堀江 正信 | 環境安全保健機構 | 助教 |
榎戸 輝揚 | 物理学・宇宙物理学専攻 | 准教授 |
上ノ町水紀 | 東京工業大学 | 特定助教 |
戸崎 充男 | 原子力安全技術センター | 参事 |
新山 雅之 | 京都産業大学 | 教授 |
企画の概要
素粒子実験の世界では、簡単に測定できる粒子や反応は既に測定しつくされており、新しい発見のためにはこれまでにない精度の測定器やデータ処理技術の開発が必要不可欠である。これは理学の多くの研究にとっても同様であるが、そこに不可欠な測定器やデータ解析技術について、分野を横断した利用や技術・知識の共有は十分に行われているとは言えない。
本スタディグループでは、理学の様々な分野で使われている測定器およびデータ処理技術について分野横断的な学習・実習を行う。また、素粒子実験用の測定器を宇宙線を利用した火山の透過観測に用いる、細胞観測用の測定器を素粒子の測定に用いるなど、分野を横断した測定器利用に挑戦することで、狙ってもできない測定器から始まる新分野創出を促す。
参加教員は素粒子原子核実験、重力による火山観測、放射線を利用した細胞観測、宇宙線観測、医療用測定器開発の専門家である。参加教員・学生による分野交流に加え、参加者の希望に応じて外部から専門家を招聘し、セミナーや実習を行う。
実施期間・頻度
授業期間は隔週程度の頻度で、参加教員や招へい教員によるセミナーや実習を行い、様々な分野の測定器とデータ処理、その測定目的について学ぶ。また長期休暇等の期間を利用して、京大の火山観測所、SPring-8・KUANSといった素粒子実験施設などでの実習や、そのための測定器・データ処理技術の学習・準備を行う。
説明会資料
4/19(金)のスタディグループ説明会資料はこちら
TA雇用の有無
有り
問い合わせ先
tomida.natsuki.5z*kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。
活動報告
活動目的・内容
本SGでは、普段利用する機会のない他分野の測定器について学び、測定器の分野横断利用に挑戦することで、狙ってもできない測定器から始まる新しい研究の種の創出を目的とする。
昨年度は、大学内の様々な研究室や学外の研究所を訪問し、他分野の様々な測定器について幅広く学んだ。その中で、放射性同位体のラドンが地中から湧き出す量が、バースト的に増加することがあるが、その原因が不明であることを学んだ。気圧の変化に応じてラドンの湧き出し量が変化することは知られているが、バースト的な増加は原因不明である。ラドンは地下から湧き出すため、地中の状態変化が関係している可能性がある。そこで、本年度は放射線の測定器と地球物理関連の測定器の同時測定を行い、ラドン湧き出しの原因を探る実験を行うこととした。
昨年度と同様、参加教員の研究室を訪問し、それぞれの研究で使われている測定機について学ぶ活動も行った。また、将来ラドン測定を地球物理関連の測定器が多く稼働している学外の観測所で行うことを検討するため、その候補地となる京大の阿武山観測所および桜島への訪問を行った。
活動成果・自己評価
RIセンターにおいて、放射線測定器に加え、室温・大気圧・照度・振動・騒音・大気中の化学物質量の測定が可能な環境センサー、土壌の水分量を測定できる土壌水分計を設置し、同時測定を開始した。その様子を図1,2に示す。また雨量の測定を理学研究科1号館屋上で行った。測定した放射線量を図3に示す。放射線量のバースト的増加が数回観測された。バーストが観測された日および観測されなかった日の他の観測量を図4に示す。バーストと同じタイミングで他の測定値の変動は見られず、今回の測定項目とラドンのバースト的増加タイミングに相関がないことが分かった。
本年度は実際に分野横断の測定を開始できたことが大きな進展であった。しかし放射性物質の吸着収集をしていないため感度が低いこと、オンラインでデータ回収ができないといった課題が残っている。来年度はこれらの課題を解決し、学外の観測所において観測を開始したいと考えている。




参加メンバー
渡邊 大起 | 地球惑星科学専攻 | 学部3回(B3) |
小川 泰生 | 地球惑星科学専攻 | 修士1回(M1) |
位田 稜弥 | 地球惑星科学専攻 | 学部3回(B3) |
堀 祐輔 | 物理学・宇宙物理学専攻 | 修士1回(M1) |